園長からのメッセージ VOL.5
今年は本当に特別な年となりました。
急な生活リズムの変更や、先の見えない不安は、人を戸惑わせることを改めて実感しました。
この世界的ウイルス感染は、パンデミックと呼ばれ、世の中を恐怖の渦に落としました。
しかし、必ず終息は訪れますし むしろ 日を追うごとに この状況に人間はリズムを合わせていく術を身につけていきます。
ろばのこ療育園の子どもたちと毎日を過ごしながら、急な生活リズムの変更や変化、見通しのない行動は一番気をつけるところです。
保育理論でわかってはいても、これほどまでに不安なものだったのかと 改めて実感し 理解しました。
今後もいっそう『変化に強い子』『見通しの持てる子』『順応の力がある子』を育てていきたいと思いました。
さて、一番初めに『今年は特別な年です』と申し上げました。
何もかもが特別です。
本日のこの式典もまた特別なのです。
例年と違うことにチャレンジするのは本当に勇気のいることですが、しかし今年は特別を楽しみました。
特別は否定的なイメージではなく肯定的つまりスペシャルなことなのです。
来賓の方々がずらりと並ぶ例年と違って今年は、子どもたちとご家族と職員たちのみです。
気楽と言いましょうか、アットホームと言いましょうか。
ですからわたしも例年と違う園長挨拶を企画いたしました。
子どもたちの卒園式は、お母さんお父さんの卒園式。
子どもたちの進級式は、お母さんお父さんの進級式なのです。
ろばのこ療育園は、もちろん子どもたちの療育に専門的に力を入れて取り組んでいます。
しかし一番向き合っていきたいのは『お母さん』との関係です。
『お母さん』の笑顔は、家族の太陽。
『お母さん』の笑顔は、子どもたちの笑顔へつながる。
わかってはいても笑顔にならない時もあるそれが『お母さん』。
ひとつの詩をご紹介いたします。
今日、
わたしはお皿を洗わなかった
ベッドはぐちゃぐちゃ
浸けといたおむつはだんだんくさくなってきた
きのうこぼした食べかすが 床の上からわたしを見ている
窓ガラスはよごれすぎてアートみたい
雨が降るまでこのままだと思う
人に見られたら なんていわれるか
ひどいねえとか、だらしないとか
今日一日、何をしていたの?とか
わたしは、この子が眠るまで、おっぱいをやっていた
わたしは、この子が泣きやむまで、ずっとだっこしていた
わたしは、この子とかくれんぼした
わたしは、この子のためにおもちゃを鳴らした
、
それはきゅうっと鳴った
わたしは、ぶらんこをゆすり、歌をうたった
わたしは、この子に、していいこととわるいことを、教えた
ほんとにいったい一日 何をしていたのかな
たいしたことはしなかったね、たぶん、それはほんと
でもこう考えれば、いいんじゃない?
今日一日、わたしは
澄んだ目をした、髪のふわふわな、この子のために
すごく大切なことを していたんだって
そしてもし、そっちのほうがほんとなら、
わたしはちゃーんとやったわけだ
『今日』(訳:伊藤比呂美 画:下田昌克 刊:福音館書店)
続いて
ご覧いただきたい映像があります。
ある映画のダイジェスト版ですが、ぎゅっと様々な想いが込められています。
6分という長い時間ですが ご覧ください。
わたしが本日お伝えいたしたかったことは、
『お母さんは、子育てで孤立しないことが一番大切!』ということです。
卒園してもいつも一緒にいます。
卒園してもずっと応援しています。
いつでもお話に来てくださいね、電話でもメールでもLINEでも。